オフセット印刷について
現在の印刷方法の主流であり、カード印刷においても基本的な対応はオフセット印刷です。小ロット、ローコスト向けのオンデマンド印刷より精細かつ綺麗に印刷できます。印刷部数が多いほど単価が低価格になるのが特徴で印刷枚数が1,000枚以上の場合におすすめです。
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メリット
特色(DIC、PANTONE)の指定が出来る
精細なデザインの表現が得意
単色~カラー印刷まで対応範囲が広い -
デメリット
パールやラメ入り、メタリック系の印刷不可
小ロットが割高
濃い色のベタは苦手
オフセット印刷の仕組み
一般的にフルカラーの印刷物は4色のインキC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)
それぞれの版が重なり合って印刷され、フルカラーが再現されます。
シルク印刷について
オフセット印刷に比べて、インクの盛り量が多いのが特徴の印刷方法です。インクの盛り量が多い事により、インクにラメを混ぜてメタリック調の発色が可能。または濃い色のベタの場合、ムラのない安定した発色が可能になります。金銀ベースまたは黒、紺等濃い色がベースのデザインはおすすめです。オフセット印刷や箔押しなど他の印刷方式との組み合わせもあります。
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メリット
カード全面ベタの印刷が得意
金・銀・パールなどメタリックの表現が出来る -
デメリット
色のかけ合わせが出来ない
グラデーション(アミ)の表現が出来ない
細い線や抜きなど微細なデザインは苦手
シルク印刷の仕組み
デザインテクニック例
例えば、ゴールドのベタの上にスミや茶色のアミを印刷しますと、地紋が入っているように見せたり、グラデーションが掛かっているように見せたりすることができます。
色数について
「CMYK」は色の表現法の1種です。
「プロセスカラー」とも言いますが、カード印刷では一般的にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、この4色が重なり合って、幅広い色を表現します。
例
こちらのカードは見た目は緑一色ですが、C,M,Y,Kに分解して見て見ると「C 60%」「Y 100%」でカラー構成されているのがわかります。カード印刷では、CMYKのいくつを使ってカラーが構成されているかで色数が決まります。なのでこの場合は《2色》が正解です。
こちらのカードは青と水色の2色で構成されているように見えますが、実はこれはシアンだけで構成されています。オフセット印刷では網点で濃淡を表現しますので色の濃さが違っても、その色だけで構成されていれば「1c」と数えます。なので、これは《1色》が正解です。ちなみに基本的に白はカードの素地の色(印刷しない部分)ですので、色数としては数えません。
特色について
オフセット印刷・シルク印刷で特色刷りができます。DICまたはPANTONEのナンバーにてご指定ください。色見本(お手持ちのカード等)に色合わせすることも可能です。
※デジタルオフセット印刷カード、PETオンデマンドカード、ヘアライン・ホットスタンプカード、インクジェットカードには対応していません。
特色指定方法
特色とは、プロセスカラー(CMYK)では再現できない色を表現するために調合されたインクのことです。
主に、金、銀、蛍光色などのスポットカラーを印刷されたい時に使われます。
Adobe Illustratorの『ウィンドウ』→『スウォッチライブラリー』→『カラーブック』→『DICカラーガイド』を選択していただくと、『DICカラーガイド』のツールボックスが出てきます。こちらより『DIC000』と各色に番号がついていますので、そちらをご選択ください。
※PANTONEカラーの印刷も可能です。印刷前にお問い合わせください。
ホットスタンプ印刷について
箔(着色フィルム)に熱を掛けて転写する印刷方式です。鏡面のような光沢のある箔でカードのメインタイトルにインパクトを付けたり、ロゴなどワンポイントでアクセントを付けるなど表現するのに用います。
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メリット
メタリックを含む12色のカラーバリエーション
「高級感」「アクセント」の演出が得意 -
デメリット
色のかけ合わせ(重ね刷り)
グラデーションの表現
ベタ・微細なデザインの表現
オススメ素材と色の組み合わせ例
金、銀、つや消し黒の3種の素材を利用した3グレードのセットも定番です。
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金ヘアラインカード + 光沢金
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銀ヘアラインカード + 光沢銀
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つや消し黒板ベース + 黒
UVインクジェット印刷について
オフセット印刷に比べ多めにインクを使用し、吹き付けたインクをUV照射にて瞬時に硬化させる印刷方法。インクが硬化した独特の手ざわり、マット感と立体感のある仕上がりとなります。小ロット、低価格、短納期のメリットのほか、ICカード印刷との親和性が高い、バリアブル用途の対応域が広いなどの特徴があります。
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メリット
小ロット(短納期)
ローコスト
バリアブル用途の対応域が広い -
デメリット
大ロットは納期が掛かる
淡色デザインが苦手(色むらになりやすい)
フルカラーのみで、特色指定は出来ない
UVインクジェット印刷の仕組み
デジタルオフセット印刷について
少量、多品種のカード印刷に向いており、印刷機に直接データを送るため、製版工程が不要で短納期が実現できます。
仕上がりとしては、鮮明で詳細な印刷が得意なので、グラデーションや写真の印刷に長けています。
またロット間での色ムラが起こりにくいので、品質が安定しやすいです。
デメリットは、K100%の文字や線がデータより少し太めになることやグレーや薄い色の塗りに網点が目立ちやすいです。
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メリット
小ロットのカラー印刷がお得
両面カラー印刷がお得
短納期の対応が可能 -
デメリット
特色対応不可
メタリックの表現が不可
1,000枚以上は割高に
デジタルオフセット印刷で特色(青色)を印刷した拡大図
プロセスカラー(シアン・マゼンタ)を掛け合わせて青色を表現させます。
※面積の大きいベタや平網は少々ムラになりやすくなります。
※グレーや薄い色の塗りに網点が目立ちやすいです。